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Imagraph
東京大学
Imagraphはすでに閉じられた目に像を投影する装置です。参加者は仰向けに横たわり、眠るように目を瞑ります。頭上には電光掲示板が吊るされ、そのピクセルひとつひとつから光ファイバーが触手のようにのび、瞼の表面に密着します。肉が光を透かすときの血とメラニンの吸光による強い色の変化を厳密に逆算した映像がその経路に流されます。ほとんど青のグラデーションとなったその光はしかし、瞼を通過し網膜に届く頃には、意図された色彩で画を構成します。すでに閉じられた蓋の中で持続する全視野のイメージは、脳の中に自ずから湧き上がるような、外からの光が本来持ちえない特権的な質感を獲得します。現前するイメージがどこまで提示されたものでどこまで自ら生み出したものなのか不明瞭である体験の中、投影と閉眼が調停されます。
Imagraph(2020-)
村本剛毅
Engineering : 村本剛毅, 山口温大, 小山賞馨, 福林開
Support : 東京大学 稲見研究室
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