インクジェット印刷可能な銀ナノ粒子インクが市販され、手軽に入手可能になったことから、紙によるプロトタイピングの多様性が拡がっています。本研究では、銀ナノ粒子インクによって構成された回路を用い、発熱制御を行う手法を提案します。紙面へのインクジェット印刷により構成することで、ユーザーが容易に利用することができ、安価で大量な複製が可能であるといった紙の利点を備えたヒーターを実現しました。また、回路の静電容量の変化を計測することでタッチセンサとしての機能もヒーターに付与することが可能です。提案手法によって、保温機能を備えた食品用の包装紙、発熱による匂い成分の揮発を利用した香る紙、形状記憶合金と組み合わせた熱制御によって変形する紙などが実現可能になります。今回は特に、温度によって色の変わるインクもあわせて印刷することで、印刷内容が変化する紙面ディスプレイやペパークラフトなどのデジタルコンテンツを展示します。
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