<好評につき事前予約を終了いたしました。>
映像は制作者によっていかに表現され、鑑賞者によりどのように認識されているか。立教大学現代心理学部映像身体学科で知覚心理学・芸術心理学ゼミナールが取り組む映像表現の研究を紹介する。今日私たちがみる映像の多くは、撮影現場で別々に撮影された短い動画像の断片を映像編集の作業で連続提示した「動画像系列」である。映像作品という動画像系列は鑑賞者のみ方に応じて質的に異なる幾つかの事象に分かれてまとまりを作る。鑑賞者は動画像の「つながり」と「隔たり」を知覚し、時系列上に提示された複数の「できごと」を認識できる。この現象を動画像群化(動画像系列の知覚体制化)と呼べる。映像制作者による撮影や編集の作業は、動画像系列の知覚体制化を制御する行為であり、鑑賞者の時間の体験を制御する仕事である。一方、制作者自身の創作もまた自らの時間の体験に則していると考えられる。理論的問題を考える題材として、映画草創期の考え方である「モンタージュ」の発想を検討した実験結果や、時代劇の殺陣にみられる「アクションつなぎ」、絵本、絵画等の事例を紹介する。表現技法の成り立ちを踏まえ、映像に関する「表現力」とは何か考える。
2004年、立教大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程後期課程単位取得退学。同大学現代心理学部助手、助教、立教大学アミューズメント・リサーチセンター研究者等を経て、2009年より立教大学現代心理学部映像身体学科助教。自らの映像制作と身体表現の経験を活かし、実験作品の制作を行いながら心理学的研究を行う。立教大学映像身体学科では映像表現の技法と認識の関係を実証的に研究する知覚心理学・芸術心理学ゼミナールを担当する。学内共同研究等を通じて、映像制作を専門とする教員らと共に新しい映像技術が映像の表現と認識に及ぼす影響を考察している。博士(心理学)。所属学会:日本心理学会、日本基礎心理学会、日本映像学会、日本アニメーション学会、映像情報メディア学会。
予約受付は終了しました。