でるキャラは、画面内に限られていた映像キャラクタを実空間に結像させる裸眼複合現実感(MR)インタフェースです。システムは空中像ディスプレイと深度センサ、プロジェクタで構成されます。空中像ディスプレイは、新たな実像光学系にアクチュエータを組み合わせることで35cm(横)×30cm(奥行き)×25cm(高さ)の空間内に空中像を表示できるようにしました。深度センサは、ブロックや手の位置や形を計測し、実世界の地形データを作ります。この地形データを考慮して空中像を表示することによって実世界との幾何学的整合性を実現します。さらに、プロジェクタで空中像の影を描き出すことで、光学的整合性を向上し、空中像の実在感を高めることができました。ユーザは空中像と実物とのインタラクションを体験することができます。これまで画面の中に閉じ込められていたキャラクタが、目の前に飛び出してきて、本物のブロックや手の上を駆け回ります。ブロックの位置を変えると、キャラクタも空中でジャンプします。我々はでるキャラを通し、ディスプレイの領域を実世界まで拡張し、バーチャルの世界とリアルの世界のよりシームレスな融合を実現しました。
審査委員講評
ディスプレイを前後に移働させる奥行き感の提示技術を、実空間との融合に応用した点で、新規性が認められる。本技術の実用化により、違和感のないAR表示と、コンテンツとしての利活用の促進が期待される。