F01 超人スポーツハッカソン -スポーツクリエーションの場づくり-
テクノロジーとスポーツが融合した超人スポーツというフィールドで、様々な人が集まり、アイデアに形を与え、身体を動かながらスポーツをつくり上げることを目指した「超人スポーツハッカソン」。バブルボールとジャンピングシューズを装着して行う鬼相撲、場所を選ばず陣取りゲームができるJintory、人機一体を目指したキャリオットをはじめ、様々な競技が誕生しました。オープンイノベーションという手法を通して、新たな競技づくりはもちろん、クリエイターズコミュニティの形成に至るまで、そのプロセスと成果を「スポーツクリエイションの場作り」として展示します。
【展示内容】
2015年7月、ゲームデザイナー、アスリート、学生など様々なバックグラウンドを持つ方々が集まり、「超人スポーツハッカソン」が開催されました。3日間に及ぶ超人スポーツハッカソンでは、スポーツをつくろうというテーマのもと、プレイ可能な8競技が誕生しています。今回のFeatures 2015では、超人スポーツハッカソンで開発された各種競技、クリエーションのプロセスなどを紹介いたします。一部競技についてはデモプレイ・体験会を予定していますので、生まれたばかりの超人スポーツをいち早くご体感ください(年齢、身長などの制限がございます)。
超人スポーツ協会
(1)キャリオット CarryOtto
上林功 佐藤綱祐 小野田圭祐
古代ローマ、観戦者を熱狂の渦に巻き込んだ古代スポーツ「戦車競技」。 ときは現代、古代ローマの戦車競技は「Carry Otto <キャリオット>」としてよみがえる。 かつての機動力であった「馬」を「モーターデバイス」に置き換え、疾走するデバイスを手綱でコントロールしながら競走・競技する超人スポーツだ。 古代ローマの戦車競技は争いの道具が人馬一体のスポーツとして昇華した。産業革命以後、馬はエンジンやモーターに置換わり、F1などのモータースポーツとして引き継がれた。 古代戦車競技では、人間の身体のみならず機動力である馬との連携が勝敗を分けた。そこにはただの機動力としての役割にとどまらない人馬のちょうどよい距離感と関係が存在した。現代のモータースポーツはエンジンやモーターをフレームに固定することで制御しているが、人類は機械を、機動力を抑え込みすぎてはいないか。 「Carry Otto <キャリオット>」は現代のホイールインモーター技術を使い、機動力を固定フレームから解放する。放たれたデバイスを如何にコントロールできるか?そこに競技の魅力がある。 人類と機械との新しい距離、新しい関係を模索する超人スポーツ。それが「Carry Otto <キャリオット>」である。 (体験制限:中学生以上)
(2)Jintory
武田港 村上遥 中川翔太 福田浩士
Jintoryは、陣取りゲームをテクノロジーでスポーツ化した競技です。
プレイヤーは、フィールド内に複数設置された「ビーコン」を中心に展開される、バーチャルな陣地を取り合います。アクティブなビーコンに近付くことで、そのビーコン周辺の陣地をゲットする事が出来ます。
アクティブなビーコンはランダムで変化するため、今回のビーコンを取りにいくか、今回は捨てて次のビーコンに賭けるか、何人が取りに行くかなど、一見ただ走り回っているようにで、瞬時に高度な戦略判断とチームワークを発揮する必要がある、頭と身体の両方をフル回転させるスポーツです。(体験制限:小学校3,4年生以上)
(3)Hover Crosse
網盛一郎 網盛菊代 簗瀬洋平 清水淳一
Hover Crosseは体重移動のみでコントロールできる電動スクータを使い、両手に持ったスティックにそれぞれボールを1個ずつ乗せて3つあるゴールのどれかにボールを入れるという競技です。選手は1人ずつ攻守のサイドに分かれ、防御側は防御用のスティックで攻撃側の持つボールを落とします。試合はそれぞれが攻撃を行うと1セット、それを3回繰り返す3セットマッチで行われます。
足を動かすことなく急なストップ&ゴーやターンを繰り出す優雅さはまさに超人的。是非ごらんになってください。(体験制限:小学1年生以上)
(4)Bubble Jumper
藤山晃太郎 川村康二 安藤良一 西村裕 大林勇人 松園敏志
Bubble Jumperは第一回超人スポーツハッカソンにて最優秀賞を獲得し、初の超人スポーツとしてその競技の歴史が始まりました。ジャンピングシューズのような脚部強化器具と、バブルボールのような衝撃吸収体を装着することで、人類の限界を超えたダイナミックなアクションを実現します。1対1で相撲を取ったり、個人技でハイジャンプを見せるものなど、競技の種類も拡充中です。現在、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と共同で、既成品にとらわれない脚部強化・衝撃吸収ができないか、研究・開発を進めています。(体験制限:18歳以上50歳未満、体重40kg以上100kg未満)
(5)Extreme Crutch -ミライルマ-
やまざきはるき 金子真弓 柿崎俊道 木村有梨
本競技は、松葉杖を両腕に装着し片足を制限して行う新しいタイプの「だるまさんがころんだ」です。鬼は自動でカウントを行うデジタルだるま(ミライルマ)。「ミライルマがころんだ」と言い終わる前にプレイヤーはミライルマに近付きます。言い終わった瞬間、ミライルマが目を見開くので目が開いている間は動いてはいけません。少しでも動くと手に持っている松葉杖が反応し、3回反応するとゲームオーバーになります。近づく・止まるを繰り返し、ミライルマが置かれている台座にいち早く辿り着き、台座のボタンを松葉杖で押したプレイヤーが勝利です。(体験制限:小学校3,4年生以上)
(6)Augmented Dodgeball(超人スポーツショーケースに展示あり)
レバネ・カドリ1、甲斐貴大1、遠藤直樹1、今井友成1、野嶋琢也1、簗瀬洋平2
1電気通信大学、情報システム学研究科
2ユニティ・テクノロジーズ、 東京都港区赤坂1-12-32
オーグメンテッド・ドッジボール(AS)とは、ドッジボールとビデオゲームの融合による次世代型ドッジボールです。プレイヤーはまず、攻撃型キャラクタ、防御型キャラクタなどのキャラクタを選びます。各キャラクタにはそれぞれ所定のライフポイントがあります。ライフポイントはボールが当たるたびに減らされてしまい、ゼロになるとアウトです。また、各キャラクタは攻撃力・防御力といった能力値が設定されています。例えば攻撃型キャラは防御力は低いものの、攻撃力が高く設定されており、相手チームの攻撃に威力を発揮します。反対に防御型キャラは攻撃力は低い代わりに高い防御力をもっており、多少ボールが当たってもライフポイントには大きく影響しません。通常のドッジボールは、力の弱い人は不利になりがちです。しかしASは各キャラクタの個性を適切に生かすことで、身体能力に差がある人たち同士であっても一緒に楽しめるよう設計されています。本研究の目的は、このようなゲーム技術の応用を通じた、誰もが一緒に楽しむことのできるスポーツの開発です。その結果、より多くの人がスポーツを楽しみ、健康で豊かな生活をおくれるようになることを願っています。(体験制限:小学校3,4年生以上)