技術内容

人工知能(AI)技術の一つであるディープラーニングを用いて白黒写真をカラー写真に自動変換する技術を開発しました。昔の出来事を撮影した歴史的な写真のほとんどは白黒データであり、これをカラーにするには熟練者による多くの手作業が必要でした。これに対し本手法では、様々な写真の色彩をAIに学習させることで、白黒写真を人間の手作業なしに自動でカラー化できるようにしました。このため、写真のシーン全体が何であるか(部屋、森、海など)を認識し、さらに写真の中の細かい領域も同時に認識して色彩を計算する新たなAIモデルを開発しました。これにより、屋外から屋内まで様々なシーンに対する自然な色付けが可能になります。色付けの結果はユーザテストによって評価し、約90%の色付け結果が自然であるという回答が得られました。本技術により、これまでは単なる「過去の出来事」として認識されがちだった白黒写真が、よりリアルで身近なものとして感じられるようになることが期待できます。

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展示内容

PC上で、実際に白黒写真をカラー写真を変換するリアルタイムデモを行います。


講 評

古い資料の「色」の再現は、感覚的な理解において非常に重要であることが認められている。アーカイブにおいて重要な基準である「量」を飛躍的に増やすことを可能とし、人類の過去と未来を新しい次元でつなぐ意義深い技術である。