ヒット現象の数理モデル

ヒット現象の数理モデル

鳥取大学 工学部 応用数理工学科 石井研究室

採択技術名

ヒット現象の数理モデル

採択者名

鳥取大学 工学部 応用数理工学科 石井研究室

採択年

2012年

※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

映画公開前後に投じられた1日ごとの広告・報道・宣伝費用、宣伝期間、知人から薦められる頻度で観客動員数を予測する「ヒット現象の数理モデル」。企業が限られた宣伝費用で最大限の効果を生み出すことが可能となります。

詳細

映画公開前後に投じられた1日ごとの広告・報道・宣伝費用、宣伝期間、知人から薦められる頻度やブログなど「口コミ」の定量的測定を「ヒット現象の数理モデル」として構築。実際に米映画の「アバター」「スパイダーマン3」や邦画「ALWAYS三丁目の夕日」など25の映画で観客動員数の推移が事前予測と興行結果で一致し、かなりの精度で映画のヒット度を予測することに成功しました。また、ブログの書き込み数と観客動員数、売り上げも比例することを突き止めました。映画だけでなく、他の分野にも応用が可能で、この数理モデルを使って2009年に開かれた世界砂像フェスティバルなど地域イベントの成功の可否、水木しげるロードの入場者数の予測、「食べるラー油」のヒット、2010年参議院選挙の当落、AKB選抜総選挙の順位なども予測できました。数理モデルを使うと、経験や勘に頼らず、企業が宣伝費用を投じる最適なタイミングを知ることができ、マーケティング戦略を緻密に練ることができます。限られた宣伝費用で最大限の効果を生み出すことが可能となります。2012年6月に物理学の学術雑誌に英文の論文を掲載し、それが世界200以上の報道機関から報道されました。

審査講評

https://dcexpo.jp/i-tech/c/wp-content/themes/force_tcd078/img/common/no_avatar.png
審査委員

数学を身近に感じられて興味深い。検証を積み重ねていき、一定の精度が確かめられれば、今後の広告のあり方を考える上で十分参考になるのではないか。このような試みが映画以外にも広がっていき、実際のマーケティングで使われることを期待したい。

  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP