追体験のためのバーチャル身体技術

追体験のためのバーチャル身体技術

首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 池井研究室
東京大学大学院 情報学環広田研究室
日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所

採択技術名

追体験のためのバーチャル身体技術

採択者名

首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 池井研究室
東京大学大学院 情報学環広田研究室
日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所

採択年

2012年

※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

記録された他者の体験を五感に再生提示することにより、臨場感豊かな追体験を可能とする技術を紹介します。特に歩行などの身体運動を対象とした能動的な運動感覚のバーチャルな再現について新しい手法を示します。

詳細

バーチャル身体技術とは、他者の行動を記録して五感に再生提示することにより、疑似能動的に追体験を楽しむための技術です。これは、1)多感覚情報の同時提示、2)多感覚情報の相互作用、3)能動的運動感覚誘起、などに関する技術から構成されています。多感覚情報とは、従来から利用されている視覚、聴覚に加えて、嗅覚、前庭感覚、力触覚、風覚などの感覚を含む感覚群に関する情報です。これらを同時に提示すると、各情報に対する受容の特性は単独の場合と異なったものとなるので、そうした相互作用を考慮した提示を行います。1)、2)は体験者の周囲の環境を臨場感高く再現するための技術ですが、これに加えて、3)では体験者自身の能動的な運動感覚に関する表現を行います。これは、記録された他者の体験情報を用いながらも、あたかも自分の身体が能動的な意思に従う中で体験したかのような臨場感が得られることを目指す技術です。体験者の身体をバーチャル化し、例えば、他人の歩行などの能動的な身体運動状態を疑似能動的に追体験します。これにより、さまざまな場所に行って、歩いてみた時の状況を、臨場感高く楽しみながら追体験することが可能となります。

審査講評

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審査委員

身体性は脳の基本的な活動と密接にかかわることが明らかになってきており、五感に作用するバーチャルリアリティ技術としても注目できる。今後の高齢化社会における福祉・医療・娯楽などの分野での応用をはじめさまざまな活用が期待される。

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