MM-Space: 次世代ビデオ会議のための会話場再構成システム
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
採択技術名 |
MM-Space: 次世代ビデオ会議のための会話場再構成システム |
---|---|
採択者名 |
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 |
採択年 |
2012年 |
特別賞 |
Innovative Technologies 特別賞「Ecology 」を受賞 |
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
概要
MM-Spaceは、次世代ビデオ会議への応用を念頭とし、遠隔地にいる複数の人の会話を、あたかもその場にいるかのように再現することを目指したシステムです。
詳細
MM-Spaceは、次世代ビデオ会議システムへの応用を念頭とし、遠隔地にいる複数の人の会話を、あたかもその場にいるかのように再現することを目指したシステムです。最大の特徴は、会話者の顔画像をスクリーンに投影しつつ、そのスクリーンを人の頭の動きにあわせて動かす、つまり、人の頭部運動をスクリーンの物理的な運動として補強して提示するという新しい表現方法・表示デバイスを提案した点にあります。本システムでは、会話者の配置に合わせて、別地点に複数のプロジェクタ、透過型スクリーンが配置され、各スクリーンに等身大の人物像が投影されます。スクリーンにはアクチュエータが接続され、フェイストラッキングにより得られた人物の頭部姿勢と同期して、スク リーンの姿勢が動的に制御されます。それにより視線や頷きといった会話における重要な非言語行動や、「誰が誰に向かって話しているか」などインタラクションの状態が、よりわかりやすく見るものに伝達されます。また、透明スクリーンに人物の背景を抜いた人物画像を投影することで、遠隔の人の姿がその場の風景にとけ込んだように表示され、高い臨場感・存在感を作り出すことが出来ます。
審査講評
多くの遠隔会議システムは、臨場感を与えるうえで、画質や音質の向上に取り組んでいるが、本システムは、フェイストラッキングによる視線をリアルタイムに再現し、遠隔会議にて臨場感を与える画期的なシステムだといえる。目は口程に物を言う。
比較的簡単な仕組みで、電話会議では伝わらない非言語情報を伝えることができるため、細かなニュアンスを伝えることができ、テレビ会議の臨場感が増す。こうした技術が普及することによって世界の距離感を縮めることができ、時間とコストとCO2が削減できるという部分が評価できる。