Unlimited Corridor
東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社
採択技術名 |
Unlimited Corridor |
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採択者名 |
東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室 |
採択年 |
2016年 |
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
概要
Unlimited Corridorは、HMDを被って歩き回ることでVR世界の工事中の高層ビルの足場を自分の足で歩きまわって探索することができるVRコンテンツです。
地上200mの足場の上を慎重に歩き、子供が飛ばしてしまった風船をキャッチしてください。
工事中の現場なので何が起こるかわかりません。
くれぐれも気をつけて。
詳細
“Unlimited Corridor”はリダイレクテッド・ウォーキングと視触覚間相互作用を組み合わせることで、ユーザの空間知覚を強力に操作し、広大なVR空間を歩く体験を狭いトラッキングスペースでも実現可能にするVRシステムです。
リダイレクテッド・ウォーキングとはHMDに表示する映像に補正を加えることで、実際には曲がって歩いているにもかかわらず、まっすぐ歩いていると感じさせる技術です。従来手法では、直進していると感じるには半径22m以上の円周上を歩く必要があり、広い空間が必要でした。”Unlimited Corridor”では、現実世界の曲がった壁に触れると同時にVR世界で平面の壁を視覚的に提示することで、平面の壁に触れている感覚を生じさせます。この視触覚間相互作用(触覚刺激が同時に受け取る視覚刺激の影響で変化して知覚される現象)を引き起こすことで、直進と感じられる円周の大きさを半径3mまで縮小可能にしました。
この基本原理の開発に加え、円形の壁の中央に通路を配置することではしご状の構造を持つVR空間を無限に探索できるようにし、実現できるVRコンテンツの幅を拡げる工夫を実現しました。
審査講評
人間の錯覚をうまく利用し、知覚がいかにいい加減なものであるかを実感させている。VRコンテンツにおいて無限に広い空間をいかに作り出すかという実用上の問題の解決への手がかりも与えており、ユニークな作品である。