AIによる白黒写真の自動色付けシステム
早稲田大学 基幹理工学部 石川研究室
採択技術名 |
AIによる白黒写真の自動色付けシステム |
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採択者名 |
早稲田大学 基幹理工学部 石川研究室 |
採択年 |
2016年 |
特別賞 |
Innovative Technologies2016 特別賞「Culture」を受賞 |
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
概要
人工知能(AI)技術の一つであるディープラーニングを用いて白黒写真をカラー写真に自動変換する技術を開発しました。昔の出来事を撮影した歴史的な写真のほとんどは白黒データであり、これをカラーにするには熟練者による多くの手作業が必要でした。これに対し本手法では、様々な写真の色彩をAIに学習させることで、白黒写真を人間の手作業なしに自動でカラー化できるようにしました。このため、写真のシーン全体が何であるか(部屋、森、海など)を認識し、さらに写真の中の細かい領域も同時に認識して色彩を計算する新たなAIモデルを開発しました。これにより、屋外から屋内まで様々なシーンに対する自然な色付けが可能になります。色付けの結果はユーザテストによって評価し、約90%の色付け結果が自然であるという回答が得られました。本技術により、これまでは単なる「過去の出来事」として認識されがちだった白黒写真が、よりリアルで身近なものとして感じられるようになることが期待できます。
詳細
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審査講評
古い資料の「色」の再現は、感覚的な理解において非常に重要であることが認められている。アーカイブにおいて重要な基準である「量」を飛躍的に増やすことを可能とし、人類の過去と未来を新しい次元でつなぐ意義深い技術である。
映画等の白黒映像をカラー映像にできるのは大変魅力的である。過去が現在に生き返る。まさに、ディープラーニング応用の格好のテーマである。データの数だけ、確率が高くなるため、今後は動画のリアルタイム変換も期待できる。
受賞コメント
この度、Innovative Technologies 2016特別賞「Culture」という素晴らしい賞を受賞できたこと、大変うれしく思います。本研究は学術的な面を重視して取り組んできた研究でしたが、今回実用的なコンテンツという観点からも評価していただけたことで、本技術の新たな可能性を感じることができました。白黒写真の自動カラー化技術は、これまで「過去の出来事」として認識されていた白黒写真を身近なものとして蘇らせ、過去と現代をつなぐ新たなパイプラインになるのではないかと考えています。今回の展示で多くの方々に興味を持っていただけたようで、「製品化してほしい」「自分たちのプロジェクトに応用したい」など、たくさんの好意的なご意見・ご要望をいただきました。今後はさらに多くの場面で本技術が活用できるよう、研究を進めていきたいと考えています。
(早稲田大学理工学術院 研究院助教 飯塚 里志様)