影の生じにくいプロジェクションマッピングシステム
大阪大学 佐藤宏介研究室
採択技術名 |
影の生じにくいプロジェクションマッピングシステム |
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採択者名 |
大阪大学 佐藤宏介研究室 |
採択年 |
2018年 |
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
概要
ShadowlessProjectorは、影が生じにくいプロジェクションマッピングシステムです。従来のプロジェクタはレンズが小さく、手などによって簡単に影が生じてしまいます。私達は、再帰透過光学系と呼ばれる特殊な光学素子を使い、レンズの口径を大きすることで、私達の手程度の大きさのものでは、影が生じにくいプロジェクションマッピングを実現しました。物体そのものが光を放っているような、不思議な世界を体験することができます。
詳細
遮蔽物による影響を受けにくいプロジェクションマッピングを実現しています。従来、プロジェクタと投影対象面との間を手などで遮ると、投影像の一部が失われ影が生じるという問題がありました。本技術では、再帰透過光学系を大口径レンズとして用いる投影手法を提案します。この光学系は、二層の直交するミラーアレイで構成されており、素子面に入射した光を面対称な位置に再結像させることができます。鏡対称な2つの物体(Target/Dummy)を用意し、この光学系を挟んで面対称な位置に配置し、プロジェクタよりDummyに映像を投影すると、その像がTarget上にも現れます。この光学系の面積が大きければ、手などをTargetに近づけても、その影(本影)は生じにくくなります。さらに、DummyとTargetの役割を入れ替えることでタッチ検出を可能としました。Targetに赤外光を照射し、Dummyに現れる像を赤外線カメラで観察すると、Targetでのタッチ位置を、Dummyで赤外光の影として検出できます。これらにより、影の生じにくい、タッチインタラクション可能なプロジェクションマッピングシステムを実現しています。
審査講評
ASKA3Dを用いて再帰性透過光学系を構成し、TARGETとDUMMYを巧妙に利用することで、真影が生じず、かつインタラクション可能なプロジェクションマッピングシステムの構築に成功しており、学術的な価値に加えて今後の実応用においても期待がもてる。