2020.10.20 Innovative Technologies 2020 読書アシスト 読みやすいレイアウトに自動変換する「読書アシスト」 日本ユニシス株式会社大日本印刷株式会社 採択技術名 読みやすいレイアウトに自動変換する「読書アシスト」 採択者名 日本ユニシス株式会社 大日本印刷株式会社 採択年 2020年 ※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。 詳細 「読書アシスト」は,読書中の視点移動をスムーズ化することで読み速度の向上を図る文章レイアウト技術です。読み速度の低下をもたらす余分な目の動きを減らすように,日本語文の基本単位である文節を考慮して,文字配置や改行位置を調整します。伝統的な日本語レイアウトでは,1分間に読める文字数が400~600字程度であることに対して,読書アシストレイアウトでは,最大で1,000文字程度(約2倍のスピード)まで向上します。 効果 速く読める 伝統的な日本語レイアウトでは,1分間に読める文字数が400~600字程度であることに対して,読書アシストレイアウトでは,最大で1,000文字程度(約2倍のスピード)で読めます。 心地よい 読書アシスト表示では,文章中の文節を視覚的に認識しやすいため,リズムよく読めます。 読む気になる 文字がぎっしり詰まっていると気が滅入ってしまいますが,読書アシストはその圧迫感を軽減します。 原理 「読書アシスト」は,読書中の視点移動をスムーズ化することで,読み速度の向上を図る文章レイアウト技術です。 人間の視野は,中心部分でもっとも解像力に優れ,周辺部では低下するという特徴をもちます。細かな文字を識別できるのは視野中心部に限られるため,視野中心部に収まらない長さの文を読むためには,次々と視点を移動していく必要があります。 日本語文の場合,意味的まとまりの最小単位である「文節」ごとに,スムーズに視点移動を繰り返すことができれば,計算上は,1分あたり1,200文字の速さで読むことができます。しかし,平均値として報告されている読み速度は,1分あたり400~600文字であり,理想的な速さと,平均的な速さには,大きなひらきがありました。 そこで,「読書アシスト」では,読みの視知覚メカニズムをふまえて,自然とスムーズに視点を移動できるように,文章をレイアウトします。読み速度の低下をもたらす余分な目の動きを減らすように,日本語文の基本単位である文節を考慮して,文字配置や改行位置を調整します。 その結果,読書アシストレイアウトでは,最大で1,000文字程度まで,読み速度が向上します。 体験者の感想* 体感的に読みやすく感じる 頭に入りやすいと感じた リズムよく集中して読んでいる感覚になる 日本語標準レイアウトよりも読む気になる どこまで読んだかを見失いにくい 参考文献 小林, “レイアウトデザインによる効率的な読みの支援,” 日本画像学会誌, 2020 小林, “読みを速くする日本語文章レイアウトシステムの研究開発,” ユニシス技報, 2020 小林・川嶋, “日本語文章の読み速度の個人差をもたらす眼球運動,” 映像情報メディア学会誌, 2018 審査講評 審査委員 効率的でスムーズな読書を可能にする独創性の高い技術である。速読術を習得したい一般消費者のほか、限られた時間に大量の資料を読み込んだり、素早く要点を掴んだりする必要があるプロフェッショナルなど、幅広い用途が期待できる。 (河合 将文 委員/DBJキャピタル株式会社 投資部ディレクター) Post この記事のタイトルとURLをコピーする Ghostgram 前の記事 Interactive Stickies 次の記事