技術内容

3次元空間内におけるボールの軌跡をリアルタイムで可視化するため、本システムでは次の3つの技術を組み合わせています。処理の流れとしては、多視点映像からボール位置を抽出し、カメラの位置・姿勢からその3次元位置を算出し、その結果をカメラの映像上に軌跡CGとして描画します。
・多視点映像からのボール追跡技術
 多視点カメラの映像から画像特徴(色、形など)および動き特徴に基づいてボールを自動抽出・追跡します。過去のボール位置から次フレ
 ームのボール位置を予測し、探索範囲を限定することで追跡精度と処理速度の双方が向上しました。
・パン・チルト操作可能な多視点カメラの校正技術
 正確な3次元位置算出と実写・CG合成のため、校正パターンを複数枚活用することにより、多視点カメラの校正の精度を改善しました。
 さらに、撮影現場で簡便にカメラの設置位置や姿勢を整合させる校正手法も開発しました。
・3次元CG合成技術
 カメラの位置・姿勢と複数のボールの画像座標からそれぞれの3次元位置を算出し、カメラのレンズ歪も補正することで、正確にCGを合成
 します。計測した3次元位置を用いてボールの高さや速度を表示することも可能です。

NHK放送技術研究所

 展示内容

様々な動きをするボールを3次元空間内で追跡し、CGを用いて、その動きをわかりやすくリアルタイムに可視化するシステムを開発しました。多視点カメラの映像のみから画像上のボールを抽出し、カメラの位置・姿勢からその3次元位置を算出します。これにより、カメラの映像上にボールの軌跡CGが描画できます。また、ボールの位置情報から速度を算出することで、位置だけでなく速度の数値データも表示できます。