I-Techひろば
Innovative Technologies (I-Tech) とは ...
「Innovative Technologies」は、イノベーションによってコンテンツ産業の発展に大きく貢献することが期待される先端技術やコンテンツを広く公募したうえで、応募及び有識者による推薦候補の中から優秀案件を選出・表彰し、「デジタルコンテンツEXPO」において国内外に発信するプロジェクトです。
スポンサー賞
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紙面の模様と動きを通じてインタラクション可能なプロジェクションマッピング「Interactive Stickies」
東北大学 大学院情報科学研究科 橋本・鏡研究室
- «講評»
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現在ゲームなどで使用され話題となっているARの"新たな視点からの発想"との印象を受けました。
印刷された文字にプロジェクションマッピングし、その文字の上辺にゲームでいうところの"当たり判定"があり、映し出されたボールが跳ねる様子は、インタラクティブコンテンツの新たな領域を開拓する可能性すら感じました。
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特定速度で移動している人だけに伝達可能な二次元情報提示システム:Bilateral Motion Display
東京大学 情報基盤センター 石川・早川・黄・末石・宮下研究室
- «講評»
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嘗て、デジタルサイネージという次世代のシステムが話題になり、わたしの大学でも産学連携の一環で鉄道会社にご協力させて頂いた経緯があります。その後、急激に普及しましたが、それらはいずれも、定置設置型の静止画や動画表示のディスプレイです。本研究は、見る側が移動していることを前提に考案され、今後の進展が期待されます。
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- «スポンサー 講評(川村 順一 氏)»
- 文京学院大学 客員教授
株式会社 横浜コンサルティングファーム 顧問
DCAJ会長賞
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ゴキブリを制御しユビキタスなインターフェースへ「Calmbots」
筑波大学 デジタルネイチャー推進戦略基盤
- «講評»
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ライフサイエンス、群行動アルゴリズム制御等の先端技術を駆使して昆虫行動のコンテンツ化を実現したユニークな成果である。生活空間のあらゆる場面での昆虫による新たな表現や機能を実現する途を拓き、大きな波及効果が期待される。今後、アートやエンジニアリングで活用されることを期待したい。
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- «DCAJ会長 講評(河口 洋一郎)»
- アーティスト/東京大学名誉教授/一般財団法人デジタルコンテンツ協会会長
受賞者の紹介
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特定速度で移動している人だけに伝達可能な二次元情報提示システム: Bilateral Motion Display
東京大学 情報基盤センター 石川・早川・黄・末石・宮下研究室
本システムでは、高速プロジェクターから1ミリ秒ごとに画像パターンが映し出されます。一見すると、表示されたパターンは何が描かれているのか、よくわかりません。しかし、ある方向や速度に動いている観察者から見ると、二次元的な意味のある画像として認識できます。これは、移動に伴ってパターンが一定時間残像として残り、重ね合わさって認識されるためです。本システムは車へのスピード違反通知などに応用可能です。
- «選考委員講評»
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観測者の移動速度・移動方向に応じて別々に結像される残像効果を使い、対向する観測者に別々のサインを同時に提示可能できるシステムで、その高い技術力に加えて遠隔・非接触で情報が伝えられることから、各種エンターテインメントへの適用が期待される。
雨宮 智浩 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員 】
東京大学大学院 情報理工学系研究科附属
情報理工学教育研究センター 准教授
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読みやすいレイアウトに自動変換する「読書アシスト」
大日本印刷株式会社
「読書アシスト」は,読書中の視点移動をスムーズ化することで読み速度の向上を図る文章レイアウト技術です。読み速度の低下をもたらす余分な目の動きを減らすように,日本語文の基本単位である文節を考慮して,文字配置や改行位置を調整します。伝統的な日本語レイアウトでは,1分間に読める文字数が400~600字程度であることに対して,読書アシストレイアウトでは,最大で1,000文字程度まで向上します。
- «選考委員講評»
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効率的でスムーズな読書を可能にする独創性の高い技術である。速読術を習得したい一般消費者のほか、限られた時間に大量の資料を読み込んだり、素早く要点を掴んだりする必要があるプロフェッショナルなど、幅広い用途が期待できる。
河合 将文 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員 】
DBJキャピタル株式会社 投資部ディレクター
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紙面の模様と動きを通じてインタラクション可能なプロジェクションマッピング「Interactive Stickies」
東北大学 大学院情報科学研究科 橋本・鏡研究室
手で自由に動かす平面上に投影されるコンテンツとの物理的インタラクションを可能とするプロジェクションマッピングシステムを提案します。投影される動的オブジェクトは、平面上に手描きあるいは印刷された静的オブジェクトとぶつかりながら平面の動きに応じて運動します。400 fps のマッピング制御により遅れのない運動追従を実現しており、平面へのマーカ配置や事前キャリブレーションは不要であることを特徴とします。
- «選考委員講評»
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静的な物体に投影->動的物体に追従して投影->動的物体の動きが映像内に物理現象を引き起こす。我々の目の前で動きまわる人や物体とデジタルコンテンツが呼応して行き来する感覚は新しい。インタラクティブ表現の可能性を広げる。
遠藤 諭 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員 】
株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員
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ゴキブリを制御しユビキタスなインターフェースへ「Calmbots」
筑波大学 デジタルネイチャー推進戦略基盤
「Calmbots」は昆虫の持つ移動能力、自己維持能力、隠れる能力を利用した新しいインターフェースである。複数のマダガスカルゴキブリを電気刺激で制御することで、ディスプレイ(ピクセル化)や物体の移動に利用したり、ペンを装着して線を引かせたりすることができます。
- «選考委員講評»
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独創性と取り組んでいることは応募作品の中では一番ぶっ飛んだ研究とテクノロジーである。市場創出というと全く想像がつかないが、ただちょっとした動画を見るだけで記憶に残るほどのインパクトという意味ではコンテンツ性が強いのでなんらかの今後の未来につながるプロジェクトにはなるだろうと思われる。
柳澤 大輔 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員 】
株式会社カヤック 代表取締役 CEO
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Ghostgram
株式会社 EVISION/明治大学 総合数理学部/東京大学 先端科学技術研究センター
本技術は、日本の伝統芸能である「能」に、VR技術および映像技術を組み合わせた新しい芸能を構成するためのものである。舞台上に実体の鏡像を投影する「ペッパーズゴースト (Pepper's Ghost)」を応用し、またコンピュータ制御の照明によって、同一の能面・装束を着用した二人の能楽師による舞を重ね合わせて観せることで、能楽師の消失や登場を自在に制御できるようにした。また能楽師の身体を遠赤外線カメラで撮影し、その身体の動きを反映したCG映像を舞台横側に設置したスクリーンに投影することで、能楽師と映像との重ね合わせにおいて奥行きを一致させた。我々はこれまで能舞台に立体映像を投影する『3D能』を手掛けてきたが、本技術により舞台上に情報を追加するのではなく、舞台上から情報を削減する手法を確立した。
- «選考委員講評»
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リアルとバーチャルの融合表現は近年様々なチャレンジがされているが、本技術はVRゴーグル等を使用することなく、どちらが実像か虚像か分からないほどの高度な表現を実現しており、観衆に驚きと感動を与える次世代のエンタメコンテンツ市場の可能性につながるものである。
高木 美香 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員 】
経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課長
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バーチャルSNS「cluster」
クラスター株式会社
誰もがバーチャル上で音楽ライブ、カンファレンスなどのイベントに参加したり、友達と常設ワールドやゲームで遊ぶことのできる「バーチャルSNS」を展開しています。バーチャル空間を作成するツールキットはクリエイターに開放されており、数千個のワールドが存在しています。これらの空間には、スマホやPC、VRといった好きなデバイスから数万人が同時に接続でき、大規模イベントや人気IPコンテンツの常設化も可能です。世界初VR音楽ライブ「輝夜 月 LIVE@Zepp VR」や渋谷区公認の「バーチャル渋谷」、ポケモンのバーチャル遊園地「ポケモンバーチャルフェスト」の制作運営など、バーチャルで"集まる"体験を再定義し、全く新しいエンタメと熱狂体験を提供し続けています。
- «選考委員講評»
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コロナ禍の中でのオンラインイベントのインフラとしてバーチャル渋谷など、多数のイベントで大いに活用された。また新たにゲーム機能も実装され、国内におけるwith/postコロナ時代のVRイベントのプラットフォームの一つになりつつある。
稲見 昌彦 氏
【 Innovative Technologies 2020 選考委員会 委員長 】
東京大学 先端科学技術研究センター 教授
イベントガイド 11/18(水)
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Innovative Technologies 2020 受賞者によるリモートライブ詳しくはこちら
11月18日(水)11:45 - 12:15◆東北大学大学院 : 紙面の模様と動きを通じてインタラクション可能なプロジェクションマッピング「Interactive Stickies」Innovative Technologies 2020 において優秀技術として採択され表彰される技術の研究サイトより、リモートにてライブ中継を行います。最先端の技術をその研究現場から臨場感を込めて発信していただきます。
イベントガイド 11/19(木)
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ニュー・ノーマル時代のコミュニケーション:CXが主導するDXの可能性と課題詳しくはこちら
11月19日(木)13:00-14:00深堀 昂 氏 / JINHA LEE 氏 / 高木 美香 氏 / 稲見 昌彦 氏 /モデレーター:遠藤 諭 氏Innovative Technologies 2020のテーマ『新たなコミュニケーション技術 ~会わない・触れないから何が生まれるか!?~』を起点に、この時代の会わない・触れないことから生まれるコミュニケーション技術、また今、そしてこれからの社会はどうあるべきかについて、その分野でご活躍の業界の方々、政策を提言される方、また学識の立場から幅広く議論していただきます。
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Innovative Technologies 2020 表彰式 詳しくはこちら
11月19日(木)14:15-14:45Innovative Technologies 2020 Special Prize 受賞者(6団体からの各代表者)/ スポンサーからの代表者 / 選考委員会委員長・委員 / DCAJ会長Innovative Technologies 2020 の優秀技術として採択された6件の技術の表彰式を行います。 この優秀技術6件には「Innovative Technologies 2020 Special Prize」が贈られます。 併せて、このInnovative Technologies事業に協賛し、優秀な技術の開発者を応援する企業様より「スポンサー賞」が授与、 加えまして、主催する一般財団法人デジタルコンテンツ協会より「DCAJ会長賞」が贈られます。
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トークパネル『会わない・触れない世の中に登場した新技術』詳しくはこちら
11月19日(木)14:45-16:00Innovative Technologies 2020 Special Prize 受賞者(6団体の各代表者)/ 選考委員会委員 / スポンサーからの代表者 / DCAJ会長 / 統括・モデレーター:稲見 昌彦 氏(選考委員会委員長)Innovative Technologies 2020 Special Prize の受賞者により、事前に行われるシンポジウム「会わない・触れないことから生まれるコミュニケーション技術」も参照しながら、これらの技術を採択した選考委員会委員とともに、その開発技術に関して幅広くご紹介いたします。
選考委員のご紹介
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稲見 昌彦氏(委員長)
東京大学
先端科学技術研究センター 教授 -
雨宮 智浩氏
東京大学大学院
情報理工学系研究科附属
情報理工学教育研究センター 准教授 -
遠藤 諭氏
株式会社角川アスキー総合研究所
主席研究員 -
河合 将文氏
DBJキャピタル株式会社
投資部ディレクター -
高木 美香氏
経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課長
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柳澤 大輔氏
株式会社カヤック 代表取締役 CEO
Innovate Technologies 2020
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特定速度で移動している人だけに伝達可能な二次元情報提示システム:Bilateral Motion Display東京大学 情報基盤センター 石川・早川・黄・末石・宮下研究室
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読みやすいレイアウトに自動変換する「読書アシスト」日本ユニシス株式会社/大日本印刷株式会社
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紙面の模様と動きを通じてインタラクション可能なプロジェクションマッピング「Interactive Stickies」東北大学 大学院情報科学研究科 橋本・鏡研究室
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ゴキブリを制御しユビキタスなインターフェースへ「Calmbots」筑波大学 デジタルネイチャー推進戦略基盤
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Ghostgram株式会社 EVISION/明治大学 総合数理学部/東京大学 先端科学技術研究センター
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バーチャルSNS「cluster」クラスター株式会社