古川聡宇宙飛行士・匠賞受賞記念トークセッション 『音宇宙~無限に広がる音のチカラ』
1950年代から作曲活動を始め、1969年のシンセサイザーとの出会いをきっかけに、シンセサイザー音楽の作曲・編曲家として第一線を走り続けている冨田勲氏。ビルボードでランキング1位となったアルバム「惑星」や「宇宙」「地球」といった壮大なテーマで催された海外コンサートは観客を魅惑の音宇宙へ誘った。
音楽業界の先駆者であり、今もなお、トップランナーである同氏と自然や生命にインスピレーションを受け精力的に創作活動を行うCGアーティスト・河口洋一郎氏のトークセッションに加え、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の古川聡飛行士からのビデオメッセージを紹介する。
1950年代、慶應義塾大学文学部在学中に作曲家として活動を始め、NHKや民放における数々のテレビ番組、また映画やアニメーションなど多くの作品で音楽を担当。特に大河ドラマやNHK番組、虫プロアニメの主題曲、BGMには名曲が多く、繰り返し単独やオムニバスでレコードやCDが発売され愛され続けている。初期の頃においては、作曲家として活動する一方、従来のオーケストラという演奏形態に飽きたらず、新たに出現してきた電子機器と古典的な楽器を融合させるなど、様々な音楽の可能性を追求した。その後1969年にモーグ・シンセサイザーとの出会いが転機となり、以降、古典的名曲をシンセサイザーによって現代的な解釈を加えて発表するという活動が中心となった。「イサオ・トミタ」の名は、広く世界に知られている。
1989年~1999年 東京大学医学部附属病院第1外科学教室勤務、1994年まで病院の麻酔科、外科に勤務し、消化器外科の臨床及び研究に従事。1999年2月 NASDA(現JAXA)よりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として選定され、同年4月~ NASDA(現JAXA)が実施する日本人ISS搭乗宇宙飛行士の基礎訓練に参加、2001年1月 宇宙飛行士として認定され、「きぼう」日本実験棟の開発・運用に関わる技術支援業務などを実施した。2008年12月 ISS第28次/第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命される。
CGアーティスト。東京大学大学院教授/情報学環。1952年種子島生まれ。1998年より東京大学教授。1975年からCG(コンピュータグラフィックス)に着手し、世界的CGアーティストとして活躍中。1982年国際学会SIGGRAPHに「グロースモデル」を発表し、一躍世界の注目を浴びる。国際大会でのグランプリ多数。第100回ベネチアビエンナーレ日本代表芸術家に選ばれるなど、国際的な活躍をし続けている。2000年以降に発表している作品「ジェモーション」は、反応する情感コミュニケーションがテーマのインタラクティブな作品。2010年ACM SIGGRAPHにて栄誉あるディスティングイッシュト・アーティスト・アワード受賞。